予防効果を判断するための2つの指標

 
スポンサーリンク

 予防医療の効果を判断するには efficacy と effectiveness の2つがあります。この2つは混乱しやすいですので、確認しておきましょう。

efficacy:効能、有効性などと訳されます。ある理想的な条件下で行われた介入の効果、いわゆる理論的な効果のことです。ランダム化比較試験などによって確認されます。

effectiveness:効果、有用性などと訳されます。実際の診療現場で行われた介入の効果、いわゆる現場での効果のことです。より臨床設定に近いランダム化比較試験や観察研究などによって確認されます。

 

 インフルエンザワクチンの efficacy を判断するためには、参加者のうち研究期間内に発熱などあらかじめ定めた基準を満たした人全員に診断検査(PCR法など)を行い、インフルエンザを発症したかどうかを確定診断しておく必要があります。

 このような診断検査は gold standard と呼ばれますが、両群ともに同じ条件で、全例に対して行われる必要があります。

 

 これに対して effectiveness を判断するためには、実際の診療設定に近いため現実的な研究デザインを取らざるをえません。発熱患者全員にインフルエンザの診断検査を行うことは難しいですから、症状などが一定の基準を満たした人のみに行う、インフルエンザ抗原迅速検査で代用する、などの方法となるでしょう。

 PCR法などの gold standard の実施は必須ではありませんが、最低でもアウトカム発症の評価者が盲検化されている、などの配慮が必要となります。

 

 一般的に efficacy は effectiveness に比べて効果が高く見積もられる可能性がありますので、論文を批判的吟味する際には注意が必要となります。

 

こちらの関連記事もどうぞ

www.bycomet.tokyo