予防接種の効果と害

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明らかな発熱は37.5℃超?

手技
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  予防接種をするときは、必ず体温を測定します。

 
  微熱があるのですが、大丈夫でしょうか?という質問よりも、なんとかして今日やってほしい、延期といわれても予定が立たない、体調はいつも通りなのに熱があるなんておかしい・・・。最後には、今朝自宅で測って平熱なので大丈夫ですよね・・・という始末。

  乳幼児では、衣服や気候によっては体温が高めになることもあります。
 
  延期になると次の予定がなかなか大変、というのが一般生活者の感覚です。そして、問題になるのは体温の基準です。
 
  「もう一回測ってみてください。」もう一回測って低くなっていれば、本当にそれでいいのか?
 
  体温を測定するのは、予防接種の接種不適当者を見分けるためですが、その基準について少し考えてみたいと思います。
 
  まずは、ワクチンを作っている製薬会社からの情報です。添付文書には一律同じような文言が並んでいます。すべて同じです。
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禁忌
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には,接種を行ってはならない。
・明らかな発熱を呈している者
(以下略)
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  「明らかな発熱」の場合には、接種をしてはいけない。発熱に関してはそれだけです。では、明らかな発熱って?


明らかな発熱?

  ここは厚生労働省のホームページでしょうか。検索してみました。ページ内検索ができます。

  いくつか情報を見つけました。いずれもインフルエンザワクチンですが。
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今冬のインフルエンザ総合対策について(平成20年度)
インフルエンザQ&A;

予防接種法に基づくインフルエンザワクチンの定期接種が不適当と考えられる方は、予防接種実施規則に以下のように示されています。 

<予防接種実施規則第6条による接種不適当者(抜粋)>
(1) 接種当日、明らかな発熱*を呈している者
*:通常は、37.5℃を超える場合をいいます。
(2) 重篤な急性疾患にかかっている者
(3) 予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーショックを呈したことが明らかな者
(4) インフルエンザの予防接種で、接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う病状を呈したことがある者
(5) 過去に免疫不全の診断がされている者
(6) その他、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
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  日本医師会のインフルエンザQ&A;にも同じ記載があります。
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(1)接種当日、明らかな発熱*を呈している者  
*:通常は、37.5℃を超える場合をいいます。
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  平成20年度の時点では、「明らかな発熱」は37.5℃を超える場合というのが厚生労働省日本医師会の見解と考えられます。


予防接種実施規則

  「予防接種実施規則第6条」というのが出てきていますが、接種するものの義務として確認しておきましょう。こちらです。
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○予防接種実施規則 (昭和三十三年九月十七日) (厚生省令第二十七号)

(予防接種を受けることが適当でない者)
第 六条 法第七条に規定する厚生労働省令で定める者は、予防接種法施行規則(昭和二十三年厚生省令第三十六号)第二条第二号から第六号までに掲げる者とする。      
( 平六厚令五一・追加、平一二厚令一二七・一部改正)
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  気が遠くなります。昭和23年の省令にまでさかのぼるのか・・・ここで挫折する人は多いに違いありません。

  ルールをあえてわかりにくくするための、嫌がらせのようです。くじけずやってみました。
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○予防接種法施行規則 (昭和二十三年八月十日) (厚生省令第三十六号)

第二条 
予防接種法施行令(昭和二十三年政令第百九十七号。以下「令」という。)第一条の二本文に規定する厚生労働省令で定める者は、次のとおりとする。
一  当該予防接種に相当する予防接種を受けたことのある者で当該予防接種を行う必要がないと認められるもの
二  明らかな発熱を呈している者
三  重篤な急性疾患にかかつていることが明らかな者
四  当該疾病に係る予防接種の接種液の成分によつてアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
五  急性灰白髄炎、麻しん及び風しんに係る予防接種の対象者にあつては、妊娠していることが明らかな者
六  第二号から第五号までに掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者   ( 昭五一厚令四二・全改、昭五五厚令二九・一部改正、平六厚令五一・旧第三条繰上・一部改正、平一二厚令一二七・平一三厚労令二一〇・平一五厚労令一六四・一部改正)
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 でも、ここまでさかのぼったところで、「明らかな発熱」には、それ以上の基準がないことがわかりました。


  明らかとは、誰にとっての明らかなのか?

  ここまで敢えてわかりにくくしておくには、なにか理由があるのでしょうか?日本中の公務員がこれを読んで解釈して、という途方もないペーパーワークをしています。

  そして残念ながら、リニューアルされた厚生労働省のホームページから探しだすのは至難の業。少なくとも一般市民にわかってもらおう、という気はあまりなさそうです。

  ただ公開されていても、情報としての価値はありません。

 

医師の判断<体温

  医師の診察や判断よりも、体温測定を何度も繰り返してその数値を重視するシステム。基準を曖昧にして現場に委ねるようにしておいて、結果的に責任はとらない姿勢。

  厚労省のホームページと同じ匂いを感じます。

  そのようなシステムには、落とし穴が待っているでしょう。