予防接種の効果と害

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昭和50~52年生まれのポリオ対策

ポリオ
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  ひきつづき、ポリオに関する情報です。

  昭和50年から52年生まれの人には、ポリオに対する免疫が十分ついていない可能性があることがわかっているようです。
  あまり周知されていないようですが、重要な情報と思われますので、いくつかのウェブサイトから引用しながら、ここで紹介させていただきます。
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ポリオとポリオの予防接種について知っていただくために
厚 生 省 公衆衛生審議会感染症部会 ポリオ予防接種検討小委員会
平成12年8月31日

  海外では、依然としてポリオが流行している地域があります。これらの地域に行く際には、予防接種を受けていない人はもちろん、予防接種を受けた人でも注2、より確実に免疫をつけるために、追加の予防接種を受けてから行くことが安全です。免疫は、ふつう予防接種を受けてから約1か月程度でつくといわれています。

  なお、理由はよくわかっていませんが、昭和50年から52年生まれの人たちについては、十分な免疫がついていない人の割合が比較的高いということがわかっています注2。特に、これらの年齢層の人が流行地域に行く際には、追加の予防接種を受けることをお勧めします。

注2
  ポリオウイルスには、I,II,III型の3つタイプがあり、ふつう、健康な人がきちんとポリオの予防接種を受けた場合は、それぞれに対する免疫がつく割合(抗体保有率)は、I型で98%、II型で99%、III型で87%です(平成6年度流行予測調査より)。しかし、受ける人の体質、その時の体調などによって免疫がつかないことがあります。また、予防接種を1回しか受けなかった場合にも十分に免疫がつかないことがあります。(「IV-1 現在のポリオワクチンには、毒性を弱めたウイルスが入っています。」参照)
  昭和50年から52年生まれの方については、I型の抗体保有率が低い(昭和50年生:56.8%、昭和51年生:37.0%、昭和52年生:63.8%)ことがわかっています。しかし、この年齢層でもII型に対する免疫は十分についていますので、I型やIII型に対してもある程度の感染予防の効果はあるといわれていますが、ポリオの流行地に行く際やお子さんがポリオの予防接種を受ける際には、子どもの頃にポリオの予防接種を受けた方でも予防接種を受けることをお勧めします。
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財団法人 ポリオ研究所
保護者のためのポリオQ&A;

Q7.昭和50~52年生まれの人に追加接種をすすめている理由は?
  昭和50~52年生まれの人にはポリオの免疫がついていないことが多く、その場合は子どもと一緒に接種すべきと保健所で勧められたことがありますが、どういうことなのでしょうか。
  「免疫がついていない」ことが理由だとしたら、それは何故ですか?
  また、確実にポリオを2回接種していることがわかれば、追加接種の必要はありませんか?


■Q7.の回答
  厚生省(現厚生労働省)の調査で、昭和50年~52年生まれの方の特に1型と3型の抗体保有率が低いことがわかりました。

  「抗体を持っていない親は、子どもが経口生ポリオワクチンを接種した場合、その涎や便から排泄されるポリオウイルスの変異株(体内で増殖を繰り返すことにより、神経毒力が強くなったもの)により感染・発症する危険性がある」ため、厚生省(現厚生労働省)は平成8年頃から経口生ポリオワクチンの追加接種を奨励していますが、低抗体保有率の原因は不明としています。

  予防接種リサーチセンターが調べた接種率を見ますと、昭和49年から51年にかけて三種混合ワクチン(DPT:ジフテリア・百日咳・破傷風)を接種した子どもが百日咳ワクチンで発症し、死亡するという事故が起きた結果、医師会の全ワクチンの接種ボイコット騒ぎや、一般の方々の「ワクチンは危険」との懸念から、接種率が低くなっています(接種率は80%以下になると集団防衛の効果が悪くなると言われています)。

  ポリオワクチンには1・2・3各型弱毒ウイルス(神経毒力の弱いワクチン株)が含まれています。ウイルスは喉と腸で増殖し、唾液と便に排泄されます。

  1回目の接種では増殖力の強い2型ウイルスが増殖します。そのため1・3型の増殖は抑制されます(干渉作用という)。6週間以上の間隔をあけて2回目の接種をしますと、2型に対する抗体(=免疫・抵抗力)ができているので2型は増殖せず1・3両方の型のウイルスが増殖するのですが、やはり干渉作用のため片方のウイルスしか増殖しないこともあります。従って外国では3回以上の接種を義務付けていますし、自衛隊や国際協力隊等のポリオ流行地への派遣には追加接種を行っています。

  接種率が高い場合には、集団生活での接触(例えば保育園等での遊びを通じて唾液や便に触れる)により、自分の持っていない型のウイルスに感染(発症ではない)、ウイルスが増殖し抗体が得られます。しかし、昭和50年~52年生まれの人は全体的な接種率が低く、2回接種でも不十分なのに1回接種または未接種の方が多く、従って接触感染の機会も少なかったことにより抗体の保有率が低くなったものと考えられます。

  2回接種をされている場合には、恐らく大丈夫だとは思われますが、以上の理由により3つの型の抗体が不十分な場合も想定されますので、念のため追加接種を受けることをお勧めします。


Q8.子どもがポリオの接種を受けるのですが、親が気をつけることは?
  来月、子どもがポリオの予防接種を受けるのですが、私自身は1回しか接種を受けていません。
  接種後、便にウイルスが出るということですが、大丈夫でしょうか?

■Q8.の回答
  ポリオワクチンを接種しますと、喉と腸でウイルスが増殖し、人によって異なりますが、便から約1か月半の間、唾液からは約1~2週間の間にウイルスが排泄されます。従って、小児が接種した場合、必ず周囲にウイルスを撒き散らすものと考えた方が良いと思います。

  すでに1回接種していますので「接触感染による発症(接触者から麻痺患者が出た割合は約789万回接種当たり1人)」の危険性は少ないものと考えられますが、お子さんと同時期か少し前にワクチンの追加接種を受けることをお勧めします。

  なお、手や遊び道具についたウイルスがその場で増殖することはありませんので、洗い流したり拭き取れば良いと思います。消毒は特に必要ないかと思いますが、心配なようでしたら煮沸や塩素系漂白剤(酸性のものと混ぜないこと)による消毒を行ってください。また、オムツは紙オムツが便利です。
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国立感染症研究所 感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/disease/polio/IMG/p-fig005.gif急性灰白髄炎(ポリオ・小児まひ)

  我が国の各年齢層におけるポリオの抗体保有状況を見てみると(感染症流行予測事業)特定の年齢層における抗体保有状況に谷間があることが明らかになっている(図5)。昭和50-52年生まれの年齢層におけるポリオウイルスに対する中和抗体保有率は、昭和50年生まれ57%、昭和51年生まれ37%、昭和52年生まれ64%であり、他の年齢層では約80~90%の保有率である(図5:1994年度での出生年別抗体保有状況、図6:1994年度での抗体保有状況の推移)

  昭和50年~52年生の人々は、ポリオ流行地への渡航の際の感染や、極めて稀であるがポリオワクチン接種をうけた自分のこどもからの感染を受ける可能性があるので、OPV投与を受けることが望ましい。しかし現在ポリオの発生がみられない国内においては、緊急性はなく、こどものポリオ接種の際に一緒に飲むようにするとよい。しかしこれらの年齢層でポリオがいまだ制圧されてない地域(図7)に渡航する場合には、できるだけ接種を受けておくことが勧められる。
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  ポリオを集団接種する意味も、一定の地域で同時に接種することに意味があるからだったのですね。なるほど。

  あまり周知が十分ではないように思いますが、昭和50~52年生まれの人のこどもがポリオワクチンを接種される時には、十分注意が必要ですね。

  ウェブサイトで告知されている自治体もあるようでした。
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墨田区公式ウェブサイト
昭和50年から52年生まれの方のポリオ予防接種について 
2010年5月10日掲載
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  掲載されたのは、つい最近のようですね・・・。