水銀が入っていないワクチンはありますか?

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 「水銀が入っていないワクチンはありますか?」

 インフルエンザ予防接種を希望される方からこんな質問を受けました。

 その場ですぐに調べてみました。添付文書では、デンカ生研のものに記載されていました。

JAPIC 医療用医薬品添付文書
インフルエンザHAワクチン「生研」

 本剤は添加物としてチメロサール(水銀化合物)を含有している。チメロサール含有製剤の投与(接種)により、過敏症(発熱、発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒等)があらわれたとの報告があるので、問診を十分に行い、接種後は観察を十分に行うこと。 添加物
ホルマリン(ホルムアルデヒド換算) 0.0026w/v%以下
チメロサール 0.004mg
塩化ナトリウム 8.5mg
リン酸水素ナトリウム水和物 1.725mg
リン酸二水素カリウム 0.25mg

 

 北里研究所、化学及血清療法研究所のものには添加されていないようでした。

 そもそも何で水銀化合物を入れるのでしょうか。横浜市衛生研究所のウェブサイトに詳しく説明してあります。

横浜市衛生研究所:チメロサールとワクチンについて

 

 なるほど、バイアルで提供する際に殺菌作用を期待して添加されていたんですね。最近は、シリンジタイプの使いきりがあり、チメロサール添加なしのものが増えています。

 さて、この微量に含まれる水銀化合物、害はないのでしょうか?

 

チメロサールと自閉症

 ワクチンに添加されている水銀化合物によって、自閉症が発症するのではないかという仮説があり、論争が繰り広げられてきています。

 さきほどの横浜市衛生研究所のウェブサイトから。

 アメリカ合衆国における自閉症の増加と水銀と関連づけて説明しようとしたBernardらの仮説により疑問が投げかけられました。2001年、米国の医学協議会(Institution f Medicine : IOM )の予防接種安全性検討委員会では、チメロサールを含むワクチンの接種を受けることと自閉症・注意欠陥多動性障害(ADHD:attention deficit / hyperactivity disorder )・言語発達障害などの神経発達障害との間の因果関係については、肯定するにも否定するにも十分な証拠がないため、チメロサールを含まないワクチンの使用を勧告しています。

 しかし、その後の2004年のIOMでは、チメロサールを含むワクチンの接種を受けることと自閉症との間の因果関係については否認する、という結論に至っています。

 厚生労働省では以下のPDFが検索されてきます。2009年に公開された資料のようです。(どの資料に紐付けされているのか不明。)

保存剤(チメロサール等)が添加されている新型インフルエンザワクチンの使用について[pdf]

 

 日本小児神経学会からの声明です。

日本小児神経学会 自閉症における水銀・チメロサールの関与に関する声明

 

 (独)医薬品医療機器総合機構の調査結果報告書です。(こちらも厚生労働省ウェブサイトのどの資料に紐付けされているかわかりません。)

(独)医薬品医療機器総合機構 調査結果報告書[pdf]

 関連文献の評価、諸外国における評価、国内における関連症例報告の状況、関連学会の見解等を踏まえ、これまでの知見ではチメロサール含有ワクチンと自閉症等との因果関係を示す根拠は得られていないと判断した。

 

 チメロサールと自閉症の関係については、2004年の時点で否定的な見解が多いようです。

 

つづく

一部改変 2015-03-23