予防接種の効果と害

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

予防接種の情報収集に有用なリンク集

 ブックマークの紹介です。

 毎年めまぐるしく変化している予防接種。時間のない中、情報収集する際に有用なウェブサイトをいくつか挙げておきます。

予防接種情報 |厚生労働省
トピックスで制度の変更を確認。
関係通知や健康被害救済などに関する情報はこちらを。

医療関係者の方へ | 一般社団法人日本ワクチン産業協会
予防接種に関するQ&A集は必携。
全文PDFで公開されています。

予防接種・感染症|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY
小児科学会のウェブサイト。
キャッチアップスケジュールが掲載されています。 

Know VPD! - ワクチンで防げる病気(VPD)を知って子供たちの命を守る
一般向け情報。わかりやすく解説されています。

 

 ぜひご活用ください。

風疹はワクチンで予防できますか?

風疹

 

風疹ワクチンの効果は?

 風疹が流行しています。広報の効果もあってか、風疹ワクチンの需要が増加(特需?)しているようです。詳細はこちらから。

厚生労働省
風しんについて

 

 さて、風疹ワクチンはどのくらい効果があるのでしょうか?これだけアナウンスされているのですから、確固たる効果が証明されているのでしょう。期待しながら調べてみました。

 一般的な記載はこのようになっています。

国立感染症研究所
風疹Q&A;(2012年版)
Q 2-7 風疹の予防接種をうけると風疹にはかからないと考えてよいでしょうか。
A すべての薬が100%の効果をもつとは限らないように、ワクチンの効果も100%とはいえませんこれまでの報告を総合すると、風疹ワクチンを1回接種した人に免疫ができる割合は95~99%と考えられています。現在は、2回の接種が定期接種として実施されており、より高い効果が得られています。


 いまいち歯切れの悪い説明のように感じます。

 そもそも、「免疫のできる割合」は風疹発症予防が証明されてわけではない代用のアウトカムです。

 

 そこで、ワクチンでどのくらい風疹の発症が予防できるのか、オンライン教科書を使って検索してみました。

 

驚きの「研究なし」

 いきなり2012年のコクランのメタ分析にたどり着きました。

 網羅的に検索されているため、概ね代表的な臨床研究は含まれていると思います。論文はこちら。

Demicheli V, Rivetti A, Debalini MG, Di Pietrantonj C. Vaccines for measles,mumps and rubella in children. Cochrane Database Syst Rev. 2012 Feb15;2:CD004407. doi: 10.1002/14651858.CD004407.pub3. Review. PubMed PMID:22336803.

 

 小児に対するMMR(麻疹・流行性耳下腺炎・風疹)ワクチンの効果を検証したシステマティックレビューです。麻疹、流行性耳下腺炎、風疹それぞれについて記載されています。

 そこに驚きの記述が。

Rubella
We found no studies assessing the effectiveness of MMR vaccine against clinical rubella.  


 MMRワクチンに関しては、風疹に関する効果を検証した研究はなかった、とのことです。

 コクランでさえ見つけられなかったのなら、もしかすると研究自体がないのでしょうか。

 それとも、MRワクチンや風疹ワクチン単独では見つけられるのでしょうか? 

 オンライン教科書を少し調べてみましたが、残念ながらちょっと見つかりませんでした。

 

PubMed検索では

 驚きの「風疹ワクチン、研究なし」から一夜明け、もう一度冷静になってPubMed検索をしてみることにしました。

 基本に戻ってClinical queriesから検索。"rubella vaccine"で検索したところ、

search result
PubMed検索結果

 

 何と、2013年にシステマティックレビューが2本も発表されていました!!

 期せずして、このような偶然が時々ありますので、世界はすごいです。地道に研究をされている研究者に感謝。

2013年4月に発表されたふたつの研究

 ひとつのシステマティックレビュー(図の2.)は、風疹ワクチンの効果を検証したシステマティックレビュー。さきほどのコクランとは違い、観察研究まで含めたレビューでした。

 今必要な情報は抗体価に関する研究ではなく、風疹の発症や先天性風疹症候群の発症を検討した研究です。まさにその疑問に答えるものでした。

 これがなんと、2013年4月19日発表です。


 もうひとつのシステマティックレビュー(図の1.)は、風疹ワクチンの医療経済分析についてでした。

 こちらも役立ちそうでしたが、2013年4月29日発表のものです。

 

 まるで風疹が流行した日本に向けられたようにさえ思える2本の研究、ありがたく順番に拝見することにしましょう。

システマティック・レビュー(2013年)

Mongua-Rodriguez N, Díaz-Ortega JL, García-García L, Piña-Pozas M,Ferreira-Guerrero E, Delgado-Sánchez G, Ferreyra-Reyes L, Cruz-Hervert LP,Baez-Saldaña R, Campos-Montero R. A systematic review of rubella vaccinationstrategies implemented in the Americas: impact on the incidence andseroprevalence rates of rubella and congenital rubella syndrome. Vaccine. 2013 Apr 19;31(17):2145-51. doi: 10.1016/j.vaccine.2013.02.047. Epub 2013 Mar 5.PubMed PMID: 23470237.   
P▶ 小児または成人に対して風疹予防として
E▶ 小児から成人までの全員にワクチンを接種すると
C▶ 小児のみまたはリスクのある人のみにワクチン接種するのに比べて
O▶ 風疹の発症は少ないか、先天性風疹症候群は少ないか
T▶ 予防、システマティックレビュー 
《結果》※※
14の観察研究あり
小児のみのワクチン Vaccination strategy for children
  • 風疹発症が23.64~99.62%減少し、流行周期が5-9年毎から5-12年毎に延長した。
  • 先天性風疹症候群について検討した研究はサンパウロで実施されたひとつだけで、開始後1年で93.98%減少した。
  • しかし、この戦略では若年成人にアウトブレイクがみられたとのコスタリカの報告があり、十分ではない。
リスクのある成人に追加 Combined vaccination strategy with a risk approach for adults
  • ブラジルでの報告では、すぐに風疹が95.01%減少、先天性風疹症候群が100%減少した。
  • しかし、7年後にアウトブレイクがみられ、(ワクチンを受けていなかった)男性の発症が5.54倍多かった。結果的に風疹発症は累積で4%しか減少していない。
成人全員に追加 Combined vaccination strategy with a universal approach
  • メキシコの報告では全員への接種を開始して1年で劇的な風疹発症減少がみられた。先天性風疹症候群が98.93%減少した。
  • コスタリカでも先天性風疹症候群が100%減少した。

 

全員を接種対象にすべき

 日本がこれまで行なってきたように、小児のみ、または女性のみに対して行われてきた風疹ワクチン戦略が不成功に終わったことは、諸外国の事例から明らかになっていることでした。
 
 そして、小児だけではなく成人全員を接種対象とすることで、風疹発症だけではなく先天性風疹症候群までも劇的に減少させることに成功しています。それも直後に。
 
 先天性風疹症候群が100%減少ということは、発症ゼロになっているのです。
 
 このシステマティックレビューから結論づけられることは、ひとつだけ。
 直ちに全員を接種対象としたワクチンプログラムを導入すべきでしょう。
 

残念ながらCRSが発症

 報道によると、残念ながら先天性風疹症候群(CRS)の発症が確認されています。2013年に入り3件。過去の発生数を見ると、かなり深刻な事態であることがわかります。

横浜市衛生研究所
先天性風しん症候群について


 国立感染症研究所の資料によると、発症例は1999年4月からの2013年3月までに27例が報告。ピーク時の2004年には10例の報告がみられましたが、その後は減少し、2005年以降は毎年0〜2例で推移していました。

 しかし、2012年には5例、今年に入ってからはすでに3例となっています。

ワクチンの費用効果は

  そもそもCRSの発症は少ないのだから、ワクチンに費用をかける必要があるのか?という疑問に答える研究が、もうひとつのシステマティックレビューです。医療経済分析になっています。

システマティック・レビュー(2013年)

Babigumira JB, Morgan I, Levin A. Health economics of rubella: a systematic review to assess the value of rubella vaccination. BMC Public Health. 2013 Apr29;13(1):406. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 23627715.


 27の研究が紹介されていますが、CRSの診断や治療にかかる費用は重く、1例当たり年間$4,200~$57,000(2012年米国ドル)、生涯$140,000と試算されています。

 費用便益分析、費用効果分析・費用効用分析において、いずれも小児とリスクのある成人に対するワクチンは費用効果が高いという結果になっています。

 

 このシステマティックレビューでは、成人全員に接種した場合の分析は含まれていないようです。

 

世界の中の日本

 この論文の中にこのような記述があります。

Most cases of rubella and congenital rubella syndrome (CRS) occur in low- and middle-income countries.  
Although WHO published a position paper to guide introduction of RCV into the national childhood immunization schedules of member countries in 2000 [5], only a few low-income countries have included the vaccine in their schedules. <中略> Of the 165 reported cases of CRS in 2009, AFR, with 47, had the highest number.


 CRSのほとんどは中~低所得国で発生しています。そして、2000年(平成12年)のWHO方針説明書を守らなかった低所得国からの発生が多いことを指摘しています。

 2009年に発生したCRS 165例のうち、アフリカから47例発生がみられています。

 

 わが国は高所得国でありながら対策が不備なためにCRSを発生させてしまったという、やや不名誉な立場に追いやられています。

 これ以上の流行とならないよう、緊急対策が必要でしょう。

 また、これまでの対策がうまく機能していない原因についても、よく考える必要があるかもしれません。

 

(2016.6.6 記事を統合)

※記事内容は論文を紹介するものであり、一定の学術的な見解や治療指針を示すものではありません。詳細は原著論文をご参照ください。

予防接種を受けた人から風疹がうつるか?

風疹

  最近、よくご質問をいただきます。 

 
 「家族に妊婦がいる場合、風疹の予防接種を受けてもよいでしょうか。接種をうけた者から妊婦に風疹ワクチンのウイルスがうつる可能性はありませんか。」 
 
  国立感染症研究所のウェブサイトにQ&A;が掲載されています。ぜひご覧ください。 
国立感染症研究所 風疹Q&A;(2012年改訂) 
  このご質問については、Q4-2に掲載されています。 
 
  特に、昭和54年4月2日~平成7年4月1日生まれの男女は接種率が低く、昭和54年4月1日以前の男性は定期接種のチャンスがありませんでした。 この機会にぜひ予防接種を。 
 
  もし麻疹ワクチンを1歳以上で2回受けたことがない妊婦の家族は、風疹予防と麻疹予防の両方の観点から、麻疹風疹混合ワクチン(MR)を選択することをお奨めします。
 
  なお、妊婦自身は風疹の予防接種をうけることはできません。
 
 

水痘ワクチンは2回必要?

水痘

  日本小児科学会では水痘ワクチンは2回接種することを推奨しています。ホームページはなぜか少しわかりにくいところに情報提供されています。

日本小児科学会
日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール

  水痘ワクチンは1回と2回接種で効果はどの程度違うのでしょうか?調べてみました。

2回接種のほうが水痘発症が少ない

  2004年に、水痘ワクチンの1回と2回を比較して10年間追跡したランダム化比較試験が発表されています。まさに疑問にぴったりの研究です。

Kuter B, Matthews H, Shinefield H, Black S, Dennehy P, Watson B, Reisinger K, Kim LL, Lupinacci L, Hartzel J, Chan I; Study Group for Varivax. Ten year follow-up of healthy children who received one or two injections of varicella vaccine. Pediatr Infect Dis J. 2004 Feb;23(2):132-7. PubMed PMID: 14872179.
P▶水痘の既往がない12ヶ月~12歳の小児(2216人)
E▶水痘弱毒生ワクチンの2回接種
C▶水痘弱毒生ワクチンの1回接種
O▶10年間での水痘発症
T▶予防、ランダム化比較試験
《結果》※※※
2回接種 2.2%, 1回接種 7.3%と2回接種のほうが水痘発症が少ない。

  という結果でした。治療必要数(NNT)は20となり、20人2回接種をすると1人の水痘発症が予防できる、という効果になります。

  1回接種しても7.3%が水痘にかかってしまうことになりますが、よりワクチンの効果を高めるためには、やはり2回接種が必要なのかもしれません。

 

(2016.6.6 記事を統合)

※記事内容は論文を紹介するものであり、一定の学術的な見解や治療指針を示すものではありません。詳細は原著論文をご参照ください。

ノロウイルスにワクチンはないのですか?

ノロ

ノロは大流行?

  昨年から施設や病院で集団発生し、話題になったノロウイルス。死亡者が出ていますが、発症数では今のところ、例年に比べて流行が大きかったというわけではなさそうです。

国立感染症研究所
ノロウイルス検出状況 2012/13シーズン
※図1をクリックしてください。
感染性胃腸炎

  ようやく流行の峠は超えたようです。

  ノロウイルスに関する情報や対策はこちらに詳しく掲載されています。

厚生労働省
ノロウイルスに関するQ&A

  一般に健康な人が重症化することは少ないのですが、家族や施設で流行してしまうとなかなか予防も難しく、やっかいな病気ではあります。

ワクチンの効果

  集団生活など、感染のリスクが高い人には予防としてワクチン接種ができればよいのですが、残念ながらまだノロウイルスワクチンは開発段階となっております。

  2011年にノロウイルスワクチン(点鼻)の成人を対象とした研究結果が発表されています。こちらをご覧ください。

CMEC-TV
ノロウイルス性胃腸炎の予防に、ワクチンは効果がありますか?
2012年8月27日配信
ノーウォークウイルスワクチンを接種すると、ウイルス投与後のウイルス性胃腸炎の発症が少ない
【ランダム化比較試験】 2011年発表(※※※)
Atmar RL, Bernstein DI, Harro CD, Al-Ibrahim MS, Chen WH, Ferreira J, EstesMK, Graham DY, Opekun AR, Richardson C, Mendelman PM. Norovirus vaccine againstexperimental human Norwalk Virus illness. N Engl J Med. 2011 Dec8;365(23):2178-87. doi: 10.1056/NEJMoa1101245. PubMed PMID: 22150036.

  健康な成人にワクチン接種した後、ウイルスを飲んでもらい発症率を検討する、という大変な臨床研究です。

  ワクチン接種なしでは70%(!)に発症したのに対し、ワクチン接種では40%発症が44%少ないという結果でした。

  発症が7割というのも怖いですね。ワクチンには一定の効果が期待できそうです。

武田薬品が開発中

  この研究は、ワクチンを開発しているLigoCyte Pharmaceuticals社が協力しておりましたが、先日買収のニュースが報じられていました。

武田薬品工業 ニュースリリース
武田薬品によるLigoCyte社の買収を通じたワクチン事業の強化について

  今後、ワクチン開発の動向だけではなく、ノロウイルスの流行状況や報道にも注視していきたいと思います。

※記事内容は論文を紹介するものであり、一定の学術的な見解や治療指針を示すものではありません。詳細は原著論文をご参照ください。

北海道と青森の日本脳炎

日本脳炎

日本脳炎、忘れていませんか? につづきます。

 

接種率は低い 

 日本脳炎ワクチンの接種率はどうなっているのか、調べてみました。
厚生労働省
定期の予防接種実施者数
平成22年度日本脳炎 実施率
1期初回1回 171.6%
1期初回2回 161.9%
1期追加 48.5%
2期 23.7%
 
 1期は4年間の差し控え期間中に接種逃した方が、順次接種をしていると思われますが、それにしても実施率が低すぎるように思われます。2期については、かなり接種率が低くなっています。2期は母子手帳にも記載欄がなく、単純に接種を忘れている可能性もあります。

北海道にも日本脳炎ウイルスはいる

 この実施者数の表の最下段(注)に気になる記載があります。
日本脳炎の対象人口で、北海道(平成7~14年)と青森県(平成7~9年)の対象人口については、予防接種法第3条第2項により予防接種を実施しなくてもよい地域に指定されている
 
 予防接種法第3条第2項とは、
都道府県知事は、前項に規定する疾病のうち政令で定めるものについて、当該疾病の発生状況等を勘案して、当該都道府県の区域のうち当該疾病に係る予防接種を行う必要がないと認められる区域を指定することができる。
 政令で定めた疾病について、都道府県知事が予防接種を行う必要がない地域と認めたものについては、実施しなくてもよいことになっています。
 
 青森県では1999年4月より定期接種となっています。青森県のみなさんは、日本脳炎の接種を受け忘れていないかどうか、ご確認ください
 北海道ではいまだに任意接種となっており、接種希望者は自費で接種する必要があります。北海道での発症がないとはいえ、西日本を中心に国内での発症はみられていますので、旅行や転居などの際には注意が必要です。
 
 北海道のみで定期接種から除外されていることについては、異論があるようです。ブログから。
小児の日本脳炎患者発生! 南平岸こども便り いし胃腸科内科 小児科
「北海道でも日本脳炎ウィルスの抗体を持つ豚がいます」とあります.

 

なぜ北海道だけやらないのか? 

 どのような判断で、除外されたままになっているのか、辿ってみました。
  幸いなことに、北海道庁で会議資料と議事録が公開されていました。

北海道感染症危機管理対策協議会 感染症流行調査専門委員会
開催日:平成24年2月16日

来年度も、日本脳炎予防接種は北海道として、定期では行わないという事務局から提案
毎年行われている感染症流行予測調査によると、今年度、抗体価が陽性になった豚はゼロであったということ。もちろん、過去に陽性になった豚もいたことから、北海道に日本脳炎ウイルスを持った蚊がいることは間違いないが、それはかなり頻度が低いと考えらる。
もうひとつは、患者9例の発生が関東以西であるということ。この状況がずっと変わっていないということ。さらに、日本脳炎の細胞培養型ワクチンの副反応が、予想より多めに出てきているということ。そういうことを考えると、この時点で、道として日本脳炎ワクチンを定期接種とする必要はないということ。
よく 、九州方面に旅行や仕事に行く人はどうすればいいのかとの意見もあるが、ほとんどが都会に行くと考えられるので、豚の近くに旅行するとか、仕事に行くのであれば、個別に考えればいいことではないか。よろしいでしょうか?特に異論はございませんか?
(異議なし)
それでは事務局案のとおりとします。

 

 以上、危機管理対策協議会の感染症流行調査専門委員会の議事録からです。

 

 北海道にもウイルスはいるが、発症がないからいい。旅行する人も、豚の近くに旅行する人は、個別に接種すればいい話だ、とのことです。

 北海道としては、このような見解で任意接種となっておりますので、ご自身でよくご検討ください。

 

日本脳炎、忘れていませんか?

日本脳炎

  厚生労働省のウェブサイトから。

ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 健康 > 感染症情報 > 予防接種情報 日本脳炎
平成7~18年度に生まれた方は、日本脳炎の予防接種が不十分になっています。

 

 日本脳炎の予防接種は、平成17年度から21年度まで、「積極的勧奨の差し控え」として、予防接種の案内が行われていませんでした。

 予防接種が差し控えとなった平成17年当時の状況について、やや記憶が不確かになっていますので、確認してみました。

日本脳炎 - Wikipedia 
 ワクチン接種と急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の因果関係が否定できない事例が認められた為、現行の(北京株)マウス脳由来ワクチンを2005年(平成17年)時点で開発途上であった、より安全性が高いと考えられたvero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来株化細胞)由来ワクチンへの切替を見越し、2005年5月30日付で厚生労働省健康局結核感染症課長が「現行のワクチンでの積極的推奨の差し控えの勧告」[2]を各都道府県に通知し、この通知により一部の市町村が自主的に接種を一時中止した。  

 

 マウス脳由来ワクチンが原因でADEMが発症している懸念があるとの判断で、2005年5月30日の厚労省通知によって接種が一時中止となっています。

 ADEMはどれくらい発症したのでしょうか。日本医師会のウェブサイトから。

日医ホーム>感染症関連情報>
日本脳炎ワクチン接種の積極的勧奨の差し控えQ&A;
  予防接種後にみられたADEMの患者さんで、予防接種法に基づく健康被害救済制度の認定を受けた方の数は、平成元年度から平成17年5月までで14件です。
  日本脳炎ワクチンの副反応としてのADEMは、70-200万回の接種に1回程度、きわめてまれに発生すると考えられています。万が一発症しても通常は軽快し、その後の再発はみられません。 予防接種によると考えられるADEMでは、通常、ワクチン接種後数日から2週間程度の間に発熱、頭痛、けいれん、運動障害等の症状があらわれます。症状が疑われる場合には、医療機関において医師の診察を受けてください。接種をうけても症状のない場合は、健康診断や検査を受ける必要はありません。

 

 幸い、予防接種の差し控え期間中には、日本脳炎の発症者数は増加がみられなかったようです。下記をご参照ください。

感染症情報センター
日本脳炎 2003~2008
2003~2008年の6年間に日本脳炎患者は、合計33例報告された。
日本脳炎 Q &A; 第3版(平成22年6月30日一部修正)
図1. 日本脳炎患者報告数

 

 国内でもまだ発症がみられていますね。

 現在、新しいワクチンによる予防接種が再開されています。母子手帳をご確認ください。接種していない方は、お忘れなく。